月収10万円・15万円を稼ぐには何時間必要?時給別の勤務時間を逆算して解説

「時給計ちゃん」運営チーム。アルバイトやパートで働く方に向けて、複雑な給与計算をサポートできるツールの企画と情報発信を行っています。労働基準法などに関する基本的なルールを分かりやすく解説します。
月収10万円を稼ぐには、時給1,000円なら月100時間、時給1,200円なら月84時間ほど働く必要があります。目標の月収 ÷ 時給 = 必要な月間勤務時間という式で、どの時給でも逆算できます。
この記事では、アルバイトやパートで「○万円稼ぎたいけど、週何時間入ればいいか分からない」と思っている方に向けて、時給別・月収別の必要勤務時間の早見表、週の勤務パターンへの換算、そして2026年時点の扶養ラインとの関係まで整理します。
この記事のポイント
- 月収 ÷ 時給 = 必要な月間勤務時間の式で、どの時給でも逆算できる
- 時給1,000円で月収10万円なら月100時間(週約23時間・週5日なら1日約5時間)が目安
- 扶養内で働く場合、2026年分は本人の所得税がかかる年収が178万円(月約14.8万円)まで引き上げられ、以前より働ける範囲が広がっている(令和8年・9年分の時限措置)
月収目標から勤務時間を逆算する方法
必要な月間勤務時間は「目標月収 ÷ 時給」で求められます。
必要な月間勤務時間 = 目標月収 ÷ 時給
たとえば、次のように計算します。
シンプルな計算ですが、ひとつ注意があります。ここでいう「勤務時間」は実際に働いた時間(実働時間)のことで、休憩時間は含みません。シフト表の拘束時間ではなく、実際に作業した時間で割るようにしてください。
また、計算に使う「時給」は基本時給で計算するのが安全です。深夜シフトや残業割増が入ると実際の稼ぎは増えますが、毎月安定するとは限らないため、基本時給をベースに逆算しておく方が計画を立てやすくなります。

時給別・月収目標別の早見表
自分の時給と目標月収の組み合わせで、何時間必要かをすぐに確認できる表です。
★ 印は月173時間(法定労働時間の上限:週40時間×月平均4.33週)に近い、またはフルタイム相当の水準です。残業が発生したり、現実的にシフトに入れる時間数を超える可能性があります。
月収15万円・20万円を目指す場合は、時給1,300円以上を狙うか、深夜シフトや残業割増を活用することを検討してみてください。
※ この節の数値は前節の「目標月収 ÷ 時給」の計算結果を一覧化したものです。
この節の参考データ
- e-Gov「労働基準法 第32条」 — 法定労働時間(1日8時間・週40時間)の根拠条文。★印の基準「月173時間」の算出根拠
時給と勤務時間を入力するだけで月収の目安がすぐに分かります。時給計ちゃんで確認してみましょう。
週の勤務パターンに換算する
「月100時間」と言われてもピンとこない方のために、週の勤務パターンに換算してみます。
月間の勤務時間を週に直すには、月平均4.3週で割ります。
週あたりの必要勤務時間 = 月間勤務時間 ÷ 4.3
さらに週の勤務日数で割ると、1日あたりの勤務時間が出ます。
時給1,000円で月収10万円(月間100時間)を目標にした場合の例です。
週5日・1日5時間前後が、時給1,000円で月収10万円に近づける現実的な働き方の目安です。
時給1,200円の場合(月間84時間)は次のようになります。
ひとつ注意があります。月の週数は4週の月と5週の月で実際には変わります。「4.3週」は年平均の計算値なので、カレンダーを見ながら月ごとに実際のシフト日数を確認して調整してください。
※ この節の数値は前節の早見表をもとに月平均4.3週で換算した目安です。
扶養ラインと月収目標の関係(2026年最新)
扶養内で働いている方は、月収目標を決める前に「年収がいくらになるか」を確認しておく必要があります。2026年時点での各ラインは次の通りです。
※ 配偶者控除ラインの136万円を超えても控除が即ゼロになるわけではありません。配偶者特別控除に切り替わり、配偶者の収入が増えるほど控除額が段階的に減少します。
本人の所得税ライン:2026年分から178万円に引き上げ
本人に所得税がかかり始める年収の目安は、2026年分は178万円まで引き上げられました。以前の103万円から大きく変わっています。
内訳は、基礎控除104万円(本則62万円+特例加算42万円)と給与所得控除74万円(本則69万円+特例5万円)の合計です。この特例加算は令和8年・9年分の時限措置で、パート・アルバイト(合計所得金額489万円以下)が対象です。
月収10万円で12ヶ月働いた場合の年収は120万円で、178万円のラインには届かないため、所得税の心配はありません。
- 国税庁「令和8年度税制改正の大綱(所得税関係)」 — 基礎控除・給与所得控除の引き上げ(特例加算含む)による所得税ライン変更の根拠
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」 — 課税最低限178万円の根拠(基礎控除104万円+給与所得控除74万円)
配偶者控除ライン:136万円に引き上げ
配偶者を扶養している世帯主が配偶者控除を受けるには、配偶者の給与収入が一定額以下である必要があります。この基準が2026年分は136万円に引き上げられました。
合計所得金額の上限62万円 +給与所得控除74万円 = 136万円
※合計所得金額の上限は配偶者控除を受けるための配偶者の合計所得金額の上限
※特例がない本則計算では131万円
月収10万円×12ヶ月=年120万円は136万円を下回るため、配偶者控除は引き続き受けられます。ただし、月収が12万円以上になる月が続く場合は年収136万円を超える可能性があるため、年間トータルを確認しながら働くことをおすすめします。
※ 136万円の根拠となる配偶者の合計所得金額の上限62万円は、令和8年度税制改正の大綱に基づく見込みです。国税庁のタックスアンサー(No.1191)には現時点で令和7年分の「合計所得金額58万円以下(給与収入123万円以下)」が掲載されており、令和8年分の金額はまだ反映されていません。
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」 — 配偶者控除ライン136万円(合計所得金額62万円+給与所得控除74万円)の根拠
- 国税庁「配偶者控除」 — 配偶者控除制度の解説(※現時点では令和7年分の要件が掲載)
- 国税庁「基礎控除」 — 基礎控除制度の解説(※現時点では令和7年分の控除額が掲載)
社会保険ライン:2026年10月から「週20時間以上」が基準に
これまでは「月収8.8万円以上かつ週20時間以上、従業員51人以上の企業」などの条件が重なった場合に社会保険への加入が必要でしたが、法律の公布後3年以内に収入要件(月8.8万円)が撤廃される予定です(施行は最短で2026年10月頃の見込み。全国の最低賃金が1,016円以上となることを見極めて判断されます)。
撤廃後は、従業員51人以上の企業で週20時間以上働いていると、月収に関係なく社会保険加入の対象になります。なお、企業規模要件は10年かけて段階的に縮小・撤廃される予定です。2027年10月にはさらに対象企業が拡大され、最終的にはすべての企業規模で週20時間以上働くと加入対象になる見込みです。
月収10万円を目指す場合、週23時間前後のシフトが目安になりますが、これは週20時間を超えるため、従業員51人以上の企業で働いている場合は2026年10月以降に社会保険加入対象になる可能性があります。なお、週の合計が40時間を超えると残業代が発生するため、残業代込みの月収を把握したい方は「パートで週40時間を超えたらどうなる?」もあわせて確認しておきましょう。
社会保険に加入すると手取りは一時的に減りますが、将来の年金や健康保険の保障が充実します。「損か得か」は単純には言えないため、勤務先や社会保険事務所に確認してから判断することをおすすめします。
- 厚生労働省「パート・アルバイトの方への社会保険の適用について」 — 現行の加入要件(従業員51人以上・週20時間以上等)および企業規模要件の段階的拡大スケジュール
健康保険ライン:130万円の壁は変わらないが、判定ルールが変わった
健康保険の被扶養者でいられる年収の上限は130万円(月約10.8万円)のままですが、2026年4月1日から判定のルールが変わりました。
旧ルールでは「実際の収入(残業代含む)」で判定していましたが、新ルールでは労働条件通知書などに書かれた契約上の年収見込みで判定します。つまり、繁忙期に残業が増えて実収入が130万円を超えても、契約上の所定労働時間から計算した年収見込みが130万円未満であれば、扶養から外れないケースが増えました。
月収10万円×12ヶ月=年120万円は130万円を下回るため、基本的には健康保険の被扶養者の範囲内です。ただし、月によって大きく稼ぎすぎる場合は年収トータルで130万円を超えないよう注意が必要です。
- 厚生労働省「被扶養者認定に係る取扱いの変更について(事務連絡)」 — 2026年4月からの130万円ラインの新判定ルール(労働契約ベース)の根拠
※ 扶養・社会保険の判断は個人の状況や勤務先・加入している健康保険組合の条件によって異なります。具体的な判断は勤務先の担当部署、税務署、または年金事務所にご確認ください。
この節の参考データ
- 国税庁「令和8年度税制改正の大綱(所得税関係)」 — 基礎控除・給与所得控除の引き上げ(特例加算含む)による所得税ライン変更の根拠
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」 — 課税最低限178万円の根拠(基礎控除104万円+給与所得控除74万円)
- 厚生労働省「パート・アルバイトの方への社会保険の適用について」 — 現行の加入要件(従業員51人以上・週20時間以上等)および企業規模要件の段階的拡大スケジュール
- 厚生労働省「被扶養者認定に係る取扱いの変更について(事務連絡)」 — 2026年4月からの130万円ラインの新判定ルール(労働契約ベース)の根拠
月収を増やす3つの方法
現在の時給・シフトで目標月収に届かない場合、次の3つの方法を検討できます。
①シフトを増やす
週の勤務日数や1日の勤務時間を増やすのがもっとも直接的な方法です。ただし、前のセクションで確認した通り、2026年10月以降は従業員51人以上の企業で週20時間以上働くと社会保険加入の対象になる可能性があります。扶養を維持したい方は、シフトを増やす前にその点を確認しておきましょう。
②深夜シフトや割増があるシフトを活用する
深夜帯(22時〜翌5時)に働くと、基本時給に25%以上の割増が上乗せされます。たとえば基本時給1,000円の場合、深夜時間帯の時給は1,250円以上になります。
同じ勤務時間でも深夜シフトを週2回加えるだけで、月収を大きく伸ばすことができます。
例: 基本時給1,000円、週5日×5時間(うち深夜2日×2時間分)
通常シフト: 3日×5時間×1,000円 = 15,000円/週
深夜シフト: 2日×3時間×1,000円 + 2日×2時間×1,250円 = 11,000円/週
週合計: 26,000円 → 月収約11.2万円(×4.3週)
深夜割増の計算の詳細については、深夜バイトの時給計算と22時以降の割増の考え方で詳しく解説しています。
③時給アップを交渉する、または転職を検討する
長期勤務やスキルアップの実績をもとに昇給を交渉する方法です。また、最低賃金は毎年10月頃に改定されるため、改定のタイミングで自分の時給が自動的に上がる場合もあります。
時給が1,000円から1,100円に上がるだけで、月100時間働いた場合の月収は1万円増えます。長い目で見れば時給アップはもっとも効果的な手段のひとつです。
この節の参考データ
- e-Gov「労働基準法 第37条第4項」 — 深夜割増賃金(25%以上)の根拠条文
- 厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」 — 都道府県別の最低賃金額
よくある質問
違います。月収(額面)から所得税・住民税・社会保険料が引かれた金額が手取りです。この記事で逆算した「必要な月間勤務時間」から稼げる金額は額面であり、実際の受取額は控除後の手取りになります。
扶養内で社会保険に加入していない場合、手取りは額面の85〜90%程度になることが多いですが、状況によって異なります。年収が178万円を超えて所得税がかかったり、週20時間以上で社会保険に加入する場合は控除額が増えるため、手取りの目安は変わります。
所得税の計算では、非課税通勤手当は収入に含めません。一方、社会保険の被扶養者認定(130万円の壁)では、2026年4月からの新ルールで労働条件通知書に記載された契約上の収入をもとに判定されるため、通勤手当の扱いは契約内容によって異なります。給与明細で「通勤手当」がどう処理されているか確認しておくと安心です。
可能です。月収10万円×12ヶ月=年収120万円は、健康保険の130万円のラインも、2026年分の本人の所得税ライン(178万円)も下回ります。配偶者控除ライン(136万円)も下回るため、世帯主の税控除にも影響しません。
ただし、2026年10月以降は従業員51人以上の企業で週20時間以上働くと社会保険加入の対象になる予定です。月収10万円を目指すために週23時間前後入る場合は、この点を事前に確認しておきましょう。
深夜シフトや残業が多い月は実質時給が上がります。月末に「総支給額 ÷ 実労働時間」を計算すると実質時給が出るので、翌月のシフト調整の参考にすると便利です。年間で稼ぎすぎる月・少ない月が出てくる場合は、月単位ではなく年間トータルで目標を管理するのがおすすめです。
月の前半・後半でシフトが変わるケースや、曜日によって勤務時間が異なるケースでは、週ごとに入れた時間を手帳やメモアプリに記録しながら月累計を追うと管理しやすくなります。「今月あと何時間入ればいいか」を週単位で確認する習慣をつけると、目標からのずれを早めに修正できます。
この節の参考データ
- 国税庁「配偶者控除」 — 配偶者控除の所得要件(2026年分から改正)の確認(※現時点では令和7年分の要件が掲載)
- 国税庁「基礎控除」 — 基礎控除額(2026年分から本則62万円、特例込み104万円)の確認(※現時点では令和7年分の控除額が掲載)
関連記事とツール案内
月収目標の逆算と合わせて、次の記事も参考にしてみてください。
まとめ
この記事では、月収目標から必要な勤務時間を逆算する方法と、2026年時点の扶養ラインとの関係を解説しました。
- 月収目標 ÷ 時給 = 必要な月間勤務時間が基本の計算式
- 時給1,000円で月収10万円なら月100時間(週5日・1日約5時間)が目安
- 月収が増えると「週の入り方」が変わる。時給が高いほど少ない時間で目標に届く
- 2026年分は本人の所得税ライン(178万円)・配偶者控除ライン(136万円)ともに引き上げ済み。月収10万円で12ヶ月働けばいずれも範囲内
- 健康保険の130万円ラインは月収約10.8万円まで。月収10万円×12ヶ月の年収120万円は範囲内
- 収入要件の撤廃後は従業員51人以上の企業で週20時間以上働くと社会保険加入対象になる予定(施行は最短で2026年10月頃の見込み。企業規模要件も段階的に縮小・撤廃予定)のため、扶養維持目的の方は事前確認を
まず自分の時給と目標月収を早見表に当てはめて、週何時間のシフトが必要かをざっくりつかんでみましょう。
参考データ一覧
- e-Gov「労働基準法 第32条」 — 法定労働時間(1日8時間・週40時間)の根拠条文
- e-Gov「労働基準法 第37条第4項」 — 深夜割増賃金(25%以上)の根拠条文
- 国税庁「令和8年度税制改正の大綱(所得税関係)」 — 基礎控除・給与所得控除の引き上げ(特例加算含む)による所得税ライン変更の根拠
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」 — 課税最低限178万円の根拠(基礎控除104万円+給与所得控除74万円)
- 国税庁「配偶者控除」 — 配偶者控除の所得要件(2026年分から改正)の確認(※現時点では令和7年分の要件が掲載)
- 国税庁「基礎控除」 — 基礎控除額(2026年分から本則62万円、特例込み104万円)の確認(※現時点では令和7年分の控除額が掲載)
- 厚生労働省「パート・アルバイトの方への社会保険の適用について」 — 現行の加入要件(従業員51人以上・週20時間以上等)および企業規模要件の段階的拡大スケジュール
- 厚生労働省「被扶養者認定に係る取扱いの変更について(事務連絡)」 — 2026年4月からの130万円ラインの新判定ルール(労働契約ベース)の根拠
- 厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」 — 都道府県別の最低賃金額
時給と勤務時間を入力するだけで月収の目安がすぐに分かります。時給計ちゃんで試してみましょう。